ハンドメイドマーケットプレイスの裏事情から見る、今後の販売方法

アート作品やハンドメイドを販売しようと思ったら、まず思い浮かべるのは、クリーマとかミンネとかテトテといった、ハンドメイド(クリエイター)マーケットプレイスですね。

ハンドメイドマーケットプレイスは、ネットに詳しくなくても簡単操作で作品を販売できるので、大変便利で人気があります。

私は2001年から2016年まで同じような仕組みのアート・ハンドメイドマーケットプレイスを運営しておりました。

そこで、裏側から見たハンドメイドマーケットプレイスを見据え、今後どうやって賢くネットで販売していったら良いか、書いてみたいと思います。

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集客ツールとして活用すると良い

まずは結論から。

集客ツールとして活用し、最終的に個人ショップに誘導する

ハンドメイドマーケットプレイスやSNSを集客ツールとして活用し、最終的に個人のネットショップにお客さんを誘導していくやり方が、ネットで作品を販売する方法としては王道だと思います。

長い目で見ると、この方法が最強でしょう。時間がかかるのが欠点ですが・・・・・・。

ハンドメイドマーケットプレイスから自分専用のネットショップへお客さんを誘導をして、自分のブランドを構築していのです。

ハンドメイドマーケットプレイスのメリットは、強力な集客力と手軽さです。これらメリットを最大限活用して、最終的には自分のショップの売上確保を目指すのが賢いやり方だし王道だと思います。

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再編も? ハンドメイドマーケットプレイスは飽和状態

次は、ハンドメイドマーケットプレイスの現況について書きたいと思います。

ハンドメイドマーケットプレイスは、現状乱立状態にあり、既に市場は飽和しています。ほとんど全てのハンドメイドマーケットプレイスの会社(Etsy, creema, minne, tetote)は、毎年赤字を出しています。

各社共、利益を出すために必死の努力を重ねていると思いますが、なかなか効果が出ていないのが現状です。利益を出すためには、規模を拡大し大幅に出店料を引き上げるしか無いと思います。しかしそこには後述するジレンマがあり、なかなか思うようにはいかないはずです。

そのため、撤退や市場再編が起きやすくなっています。

既に撤退するサイト(dクリエイターズやユザワヤ)や統合(iichiが台湾pinkoiグループに統合)も増えてきており、今後はさらに再編が進むと思います。

作品を販売する作家さんにおいては、こうした状況を踏まえて賢くハンドメイドマーケットプレイスを活用していくと良いでしょう。

乱立するハンドマーケットプレイス

現在ハンドメイドマーケットプレイスは、乱立状態にあります。サイトの数がありすぎて、飽和状態です。

アート作品やハンドメイド作品を販売できるマーケットプレイス
  • Etsy
  • Pinkoi
  • creema
  • minne
  • tetote
  • iichi
  • ココナラ
  • 東急ハンズ
  • ビレッジバンガード
  • ブース
  • ヤフオクなどのオークション
  • メルカリなどのフリマアプリ
  • アマゾンハンドメイド(アメリカのみ)

※順不同です。

ハンドメイド作品に特化したサイトでも9サイトもあります。ここにフリマやオークションサイトも含めれば、ものすごい混戦状態ですね。

しかも大資本の会社が複数参入しています。というか、資本力がないと厳しいのがハンドメイドマーケットプレイス運営の本質なのです。これは、私が実際に運営してみて身に染みて感じましたね。

ハンドメイドマーケットプレイスの中の人は、競合他社や上司や株主からのプレッシャーで、正直言ってかなり大変だと思います。でも、作家さんのためにもがんばって良いサービスをしてください!

ハンドメイドマーケットプレイスのビジネスモデル

いかに出品者を増やすか、作品を増やすかの競争

まあ、ハンドメイドマーケットプレイスだけではなく、すべてのネットショップに言えることですが、「いかに品揃えを豊富にするか」が第一優先事項です。

全てのサイトは、下のような好循環になるようにサイトを設計しています。

品揃えがよくなる→検索にヒットする確率が増える→アクセスが上昇する→作品の露出が増える→購入率が上がる→手数料儲かる→システムや販促に投資できる→作家さん喜ぶ→品揃えが増える

このサイクルをうまく回すために、どのサイトもまずは出品者(作家さん)を増やすことをがんばっています。

そのため、どのサイトも出品料を引き下げて、出品者を多く確保しようとしています。

これがうまくまわっていればいいのですが、思ったより作家さんが増えないなど、ひとつでも歯車が狂えば転落の運命となります。

ハンドメイドマーケットプレイスは儲からない?

sozai_51238たくさんの出品者に登録して作品を販売してもらうため、多くのサイトは出店料を無料か低額にしています。

それだけだとただのボランティアなので、販売手数料をメインの収益源にしているところがほとんどです。手数料で稼ぐビジネスモデルです。

販売手数料といっても、ハンドメイド品なので単価が低いのがネックです。手に取ったことのないものをネットの写真だけで判断して、何万円も出すことは無いですよね。高くて5~6千円ぐらい、平均して3千円から4千円ぐらいじゃないでしょうか。

だいたい手数料は、どのサイトも10~15%あたりでしょうか。一桁のサイトもありますが。まあ、計算しやすいように10%にして計算してみましょう。例えば、5000円売れたら、単純に計算すると500円がマーケットプレイスに入るわけです。

マーケットプレイスは、作品を販売する入れ物を用意するだけで、10%の売上が入ってくるんです。そう考えるとけっこう美味しいビジネスかもしれませんね。

でも、物事はそううまくは行きません。

各社の活発な宣伝が功を奏し、サイトでの売上高は年々増えている傾向にあります。でも、単価がなかなか上がらず、システムを維持するお金や宣伝費がかさむため、運営側に入るお金はなかなか増えない構図にあります。

どのサイトも、こうした構図を突破するために販売単価を上げるように努力していますが、思ったように成果がでてきません。

それはやっぱりハンドメイド作品の持つ特性なのでしょうがないのでしょうね。お客さんは、ネットの写真だけでなかなか大金を払う気にはならないのです。

利益を出せないハンドメイドマーケットプレイス

こちらのブログ「ベンチャー企業やスタートアップ企業の決算を調べるブログ」では、CREEMA第7期の決算発表によると、当期純損失は、416,819千円。

つまり、4億円の赤字を出していますね。

まあ、こう競合が乱立している状況を考えれば、利益を出すよりもまずは知名度や出品者を増やすことを優先する考えかもしれません。

でも、多くの開発者を抱えて、そんなにガンガン売れないのに実入りが少ないのを考えると、利益を出すのは難しいのかもしれないです。まあ、それが現状ですね。

イベント開催

ネットだけでは食えないのか、主要なハンドメイドマーケットプレイスは百貨店やイベントホールでイベントやっていますね。

なぜやるかというと、こっちのほうが簡単に現金が入るからです。出品者からの出展料。それに、お客さんとしても現物を見てから買いたいですからね。

さらに、華やかなイベントをやることで、多くの作家さんを惹きつけられるからです。サイトとしても、現金を稼ぎやすいし、出品者を獲得し易いのです。

でも、会場費を考えれば、赤字を補填できるくらいの利益は出ないだろうと推測します。宣伝の一環ですね。

市場再編も近い?

競合サイトが増え過ぎて、出品者の取り合いになり、利益が出ないとなれば、そのうち、市場再編が起きるでしょうね。

そういえば、docomoが鳴り物入りでスタートさせたdクリエイターズもH28年6月で終了してますね。ユザワヤマーケットも同年10月に終了してます。

tetoteは、最初アメブロを運営しているサイバーエージェントが運営していましたが、現在はGMOグループのGMOペパポが運営してますね。

そういえば、minnneもGMOペパポが運営していますね。

GMOグループ内でふたつもハンドメイドマーケットプレイスを抱え込んでいる意味があるのでしょうかね。2つとも赤字ですし。

資金力があるとはいえ上場会社なので、いつまでも放っておくわけにはいかないでしょうね。正念場かもしれません。

ハンドメイドマーケットプレイス運営のポイント

さて、ここでハンドメイドマーケットプレイスが利益を出すためのポイントを考えてみたいと思います。

ハンドメイドマーケット運営のポイントは、2つあるでしょうね。

  1. NO.1規模
  2. 出店料

NO.1規模

まず最初に狙うのが、規模を拡大して品揃えを圧倒的に増やすことです。

これには、システムの開発・維持や出品者獲得のための費用など多額の資本が必要になります。他サイトと横並びではなく、1番でかいサイトにならないと競合サイトに勝てないので、資本力がものを言います。

現在どのサイトもNO.1の規模を狙って、しのぎを削っているはずです。上場とかも視野に入っているかもしれませんね。

出店料

競合サイトが追いつけないほど規模が大きくなれば、サイト経営の安定化を図るために出店料を値上げします。

この段階で出店料値上げに成功すれば、おそらく黒字化できると思います。ハンドメイドマーケットの運営のためには、適正な出店料が重要だと考えます。

適正な出店料に販売手数料をプラスすることで、安定的に利益が確保できるのです。

ハンドメイドマーケットプレイスの運営で利益を出すには、出店料がポイントになると思います。

とは言え、まずは多くの出店者を確保する必要があり、そのためには競合との差別化を図るために出店料を下げるか無料にするしかないという矛盾を抱えているのが現状なのです。

競合との競争に打ち勝ち、頭一つ抜け出すためには、資本力で耐えるしか無いかもしれません。

これから起こるであろうアート・ハンドメイド作品マーケットの再編を勝ち抜いたサイトは、出店料を上げることにより、大きな利益を上げることができます。

出店料を取られる側のクリエイターはたまったものじゃありませんが・・・・・・。

ハンドメイドマーケットプレイスのボトルネック

なんといっても一番のボトルネックは、配送や顧客対応が出店者自身が行うというところにあると思います。

マーケットプレイスの運営者が、顧客対応まで責任持てないのです。

これは一見、マーケットプレイスを運営する側にしてみれば良いような話に聞こえます。でも、実際このポイントが最大のボトルネックとなり、サイト運営の規模拡大を妨げているのです。

つまりこういうことです。

サイトの規模を拡大していけばいくほど、売れない人と売れる人の差が出てきます。売れる人はガンガン売れるけど、売れない人はさっぱりといった感じに2極化します。

そして、サイトを拡大するために出店料を無料化しているため、自分が作品を出品していることを忘れてしまうのです。

つまり、売れないことに慣れてしまって、注文があってもほったらかしになるのです。

こうなるとクレームはマーケットプレイス側に来ます。でも、クレームが来た時点で出品者に連絡を取ろうにも登録した情報では連絡が取れなくなっていることも多いんです。

これを防止するには、出店料を毎月徴収するしかないと思います。毎月徴収していれば、出品者は自分が販売しているということに自覚的になります。出店料がゼロであれば、出品者はいつしか自分が出品していることすら忘れてしまうからです。

実は、私の運営していたサイトは出品料無料にしていたので、この罠にハマってしまっていました。

また、出店料無料にすると、出品者が増えて作品も増えていきますが、クオリティがそんなに高くない作品も増えます。

これはお客さんにはそんなにありがたくない話です。サイトの規模と作品のクオリティ、サービスのクオリティのバランスをうまく取る必要があるのです。

でも、マーケットプレイスとしては販売する商品も選べず、顧客対応でサービス品質も上げられないので、バランスを取るというのは、とっても難しい話になってしまうのです。恐ろしい・・・・・・。

出店料のジレンマ

でも、単純に出店料を上げれば良いという話ではありません。

つまり、出店料が高ければ出品者が集まりません。出品者が集まらなければ、品揃えが悪くなります。品揃えが悪くなると、アクセスが減ります。そして、アクセスが減るとお客さんが減ります。

悪循環にはまるのです。頭の痛い話です。

ハンドメイドマーケットプレイスの今後

そう考えると、ネットでのハンドメイドマーケットって経営的にはかなり難しいと思います。

世界的に運営しているEtsyかPinkoiぐらい規模を大きくしないとペイしないかもしれません。とは言え、Etsyはアメリカのナスダック市場に上場していますけど、いまだに黒字化していませんし、株価も降下しています

販売手数料数%で、世界的規模の販売マーケットシステムがペイできるのか疑問に思います。サーバーとかシステム開発とか顧客対応とか人件費含む固定費が膨れ上がりそうです。

マニアックなマーケットプレイスはそんなに伸びない

あと考えられるのは、お客さんターゲットを限定したマニアックなマーケットプレイスでしょう。

ゴシック系やアダルト系のハンドメイドマーケットは、有り得るかもしれないですが、同人レベルで推移して、それ以上にはならないでしょうね。

結局マーケットプレイスというビジネスモデル自体に限界が来ているのかもしれません。

クオリティを維持するための審査制度

サイトの規模と作品のクオリティ、サービスのクオリティのバランスをうまく取る必要があると書きましたが、クオリティを維持するためには、審査制の導入があります。iichiやPinkoiなどは審査ありますね。

出品するためにはまず審査をクリアする必要があるのですが、作家からするとこの審査が煩わしく感じてしまいます。

なんでマーケットプレイスの人から審査されなければならいのか、一体彼らが自分の作品の何をわかっているのか不明です。

それだったら、自分で自分のショップを作ればいいわけです。審査もなく、自由に販売できます。

個人のネットショップが最強かもしれない

結局行き着くところというか、今後も安定するのは、個人運営のお店なんだろうと思います。軌道に乗せるのはかなり時間がかかると思いますが。

来るべき再編に備えて

これからは、大手有名マーケットプレイスを活用しながら、いかに自分のショップに誘導するかを考える必要があると思います。

まずは、自分のショップを構築して、ここを本丸とします。そして、ハンドメイドマーケットプレイスやリアルのイベント、デザインフェスタとかに出品しながら、そこで獲得したお客さんを自分のネットショップにどんどん誘導していくのです。

先を考えれば、自分の作家としてのブランド力を磨くのが王道だろうと思います。時間はかかりますが・・・・・・。でも、本気でやるならそのぐらいの意気込みでやらなければ、うまくいかないとも思うのです。

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